破骨細胞 骨芽細胞 ハイドロキシアパタイトとは

骨についての基礎知識

 骨は,体を支えたり,体の一部を防御するために存在する硬い組織です。この無機物のように見える臓器は実は生きた細胞によって,絶えず生成と分解(リモデリング)を受けている組織であることがわかっています。骨は,コラーゲンという蛋白質の線維と,ヒドロキシアパタイト(ハイドロキシアパタイトとも言います)と呼ばれるカルシウムとリンを中心とした無機質からできています。建築物にたとえると,コラーゲンは鉄筋,ヒドロキシアパタイトはコンクリートです。この骨の新陳代謝に関係している細胞には,破骨細胞と骨芽細胞があります。破骨細胞は古くなった骨を溶かし,そのあとに骨芽細胞は新しい骨を作っていきます。骨細胞という細胞もあり,荷重のセンサーとして働き,骨のリモデリングをコントロールしているのではないかと考えられています。骨には,皮質骨と海面骨があります。皮質骨は骨の外側を覆っている均質で緻密な骨で,骨の強さに大きく関与します。それに対し,海面骨は骨の内側にあるスポンジ状の構造をした骨です。このスポンジの穴には骨髄が詰まっており,赤血球・白血球・血小板といった血球を作っています。海綿骨は,表面積が大きいことから,多くの破骨細胞と骨芽細胞に囲まれており,その結果骨の増減に敏感に反応します。
 骨は,若いうちに作られ,20歳ぐらいで最大骨量となり,その後は中年までほぼ同じ骨量を保ちます。男性の場合はその後ゆっくりと低下してゆきますが,女性の場合は閉経を境に急速に骨量は減少します。これは,閉経により女性ホルモン(エストロゲン)がほとんどなくなるためです。骨が弱くなる骨粗鬆症を防ぐポイントは,若いうちにしっかりと食事と運動をして最大骨量をできるだけ大きくしておくことです。女性においては,更に閉経後の骨量減少を食事・運動・場合によっては薬剤にて食い止めることです。

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