X線検査 内視鏡検査 ゲップ 咽頭反射 カプセル内視鏡とは

X線検査か内視鏡検査か

 診断に的を絞った場合,どちらの検査がよいのでしょうか。
 まず,患者さんの苦痛を見てみましょう。X線検査は,バリウムを多く飲み込む苦痛,ゲップを出さない我慢,お腹の圧迫の際の痛みの我慢が必要です。これに対し,内視鏡は,飲み込む時の苦痛,検査中「ゲーゲー」という咽頭反射による嘔吐感に苦しめられます。以前は,苦痛という面に関しては,X線検査に分があると考えられていましたが,内視鏡検査は,機器が細くなることにより苦痛が減少し,その差は狭まってきました。内視鏡の方がX線検査より楽だという方も出てくるようになりました。しかし,苦痛という面では,心理的な面を含めると今でもX線検査にやや分があるようです。では,診断能力はどうでしょう。X線検査では,病変の場所や大きさを正確に知る事ができ,その点では内視鏡より優れています。しかしながら,病変を見つけるということでは,色を含めた性状を判断できる内視鏡に分があります。更に,組織の一部を採ることができ,顕微鏡による最終診断ができることが何と言っても強みです。X線検査で異常が見つかると,結局内視鏡検査を受けることが必要となり,診療の流れの上からも,X線検査は不利です。
 部分的にデメリットはあるものの,内視鏡の方が総じて診断能力があり,医師の熟練度という意味でも,内視鏡がますます主流になっていきそうです。
また,近未来の内視鏡として,カプセル内視鏡も開発されており,薬のようなカプセルを飲むだけで,全消化管を検査できる日もそう遠くありません。

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