産生過剰型とは 排泄低下型とは 混合型とは アロプリノール ベンズブロマロン クエン酸 NSAIDs コルヒチン

高尿酸血症の病型分類と治療

 最近は,治療の観点から高尿酸血症を,産生過剰型と排泄低下型及び両者を兼ね備えた混合型に分類します。産生過剰型は,アルコールの飲み過ぎ,プリン体の過剰摂取等の食習慣によるものから,白血病や悪性リンパ腫等の腫瘍性疾患まで様々です。排泄低下型は,主に腎臓からの排泄の低下を意味します。両型を鑑別する方法として,尿酸クリアランス試験が最も正確です。尿酸クリアランス試験では,水分を多く飲んだ30分後に排尿して膀胱を空にし,正確にその1時間後の尿をとります。尿量及び尿中尿酸値を測定し,血中の尿酸値から尿酸クリアランスを計算します。膀胱内や尿コップ内で尿酸の析出が起こると検査結果が不正確になりますので,尿アルカリ化剤をあらかじめ服用することもあります。同試験は,病態を把握する上で,大変有用ですが,やや煩雑であるのが欠点です。簡便性から,尿中尿酸/血中尿酸比や尿酸クリアランス/クレアチニンクリアランス比も使われます。
 産生過剰型には産生をおさえるアロプリノールを,排泄低下型にはベンズブロマロンを用いることが一般的ですが,状況によっては反対の薬剤を使うこともあります。その他,尿酸結石を予防を目的として,尿をアルカリ化するために,クエン酸を服用することがあります。
 高尿酸血症の治療には,生活療法が重要な位置を占めます。特に症状のない8mg/dl までの高尿酸血症に対しては,まず生活療法のみで治療を始めます。生活療法として,節酒・内臓物の摂取を控えること,肥満の改善等が重要です。過度の運動や脱水も尿酸値の上昇をまねきますので,運動時には,充分な水分補給が必要です。治療の目標尿酸値は6mg/dl 以下です。
 痛風発作時は,NSAIDs と総称される消炎鎮痛剤を主にした治療を行います。コルヒチンやステロイドを使用することもあります。尿酸低下剤は,発作がおさまるまで服用を待ちますが,既に服用中に発作が起こった場合は,用量を変更せずにそのまま続けます。患部の安静と冷却及び禁酒も大切です。

検査解説案内に戻る

kensanosankousho