蛋白分画とは アルブミン α1 α2 γグロブリン

蛋白分画とは

 血液から細胞成分(赤血球,白血球,血小板)を取り除いたものを血漿とよび,血漿から主にフィブリノゲン(血液を固める働きをもつ蛋白質)を取り除いたものを血清と言います。血清の中の蛋白をおおまかに分類する方法に電気泳動法があり,蛋白質を5つのグループに分けます(アルブミンと,α1,α2,β,γ の4つのグロブリン分画)。
 各分画の基準値(%)と各分画に含まれる主要蛋白は次のようになります(聞き慣れない名前ばかりと思いますが,主なものを列挙しておきます)。
アルブミン分画(62〜71%):トランスサイレチン(甲状腺ホルモンを輸送)
                 アルブミン(浸透圧維持・物質の輸送)
グロブリン分画
  α1(2〜4%):α1アンチトリプシン(炎症で増加する急性期蛋白)
            α1酸性糖蛋白(炎症で増加する急性期蛋白)
  α2(5〜10%):α2マクログロブリン(プラスミンなどの活性抑制)
            セルロプラスミン(銅の輸送に関与。炎症でも上昇)
            ハプトグロビン(ヘモグロビンと結合)
  β(7〜11%):β リポ蛋白(脂質輸送)
            トランスフェリン(鉄の輸送)
            C3(補体第3成分,生体防御に関与)
γ(10〜20%) 免疫グロブリン(IgG・IgA・IgM)
 アルブミンとグロブリン分画のγ(γグロブリン)で80%近く占めますので,総蛋白濃度に影響を及ぼすのはアルブミンとγグロブリンの変動です。

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