A型肝炎とは 生牡蠣 魚介類 IgM-HA抗体 IgG-HA抗体

A型肝炎

 A型肝炎ウイルスは,主として口から体の中に入ってきます(経口感染)。多くはウイルスで汚染された生牡蠣をはじめとする生の魚介類の摂取から感染します。東南アジアなどの流行地では,生水を飲まないなどの注意が必要です。感染後は約3〜6週間の潜伏期を経て,発熱や倦怠感などの症状がでてきます。体の中に入ったウイルスは肝臓で増殖し,胆汁とともに腸内に排泄され,便と共に体外に出ます。集団発生の場合は,下水などの衛生環境が悪いことが関係している場合もあります。
 診断は,血中に出現する IgM-HA 抗体を測定することで行います。A型肝炎は慢性化することはなく治癒しますので通常は心配はありませんが,まれに劇症肝炎という極めて重篤な状態になることがあります。過去にA型肝炎に感染しているかどうかは,IgG-HA 抗体を測定することによりわかり,既感染者は陽性となります。年配の方は陽性の人が多く,新規感染と発症を心配する必要はありませんが,抗体を持たない若い人は,時に発展途上国への旅行時に感染し発症します。

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