低血糖とは インスリノーマ 副腎不全 ダンピング症候群 反応性低血糖 後期ダンピング症候群

血糖が低くなる病気があるの

 逆に,血糖値が低くなる病気はあるのでしょうか。インスリンが血糖値を下げると言いましたが,インスリンが必要以上にβ細胞から出てくれば,血糖値が下がりすぎることは容易に想像できるでしょう。実際に,インスリノーマという,インスリンを分泌する腫瘍ができることがあり,この場合血糖値が極端に下がります。少し下がっただけですと,空腹感を感じたり,冷や汗が出てきたりする程度ですが,更に進むと意識がなくなって死んでしまいます。ある意味では,糖尿病より怖いといえます。血糖値を上げるホルモンとして,副腎皮質ホルモンがあります。副腎不全という,副腎が十分に機能しない状態になると,副腎皮質ホルモンの出方が悪くなり,低血糖が起こります。頻度的には,インスリノーマより,副腎不全の方が多いようです。
 ホルモンの病気以外でも低血糖を起こすことがあります。潰瘍や癌のために胃を切除した人に合併する後期ダンピング症候群では,反応性低血糖を起こします。後期ダンピング症候群とは,胃切除した人は速やかに糖質が吸収されるため,インスリンが高血糖を防ぐために過剰に分泌され,数時間後に逆に低血糖発作を起こす病態です。

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