空腹時血糖 食後血糖 耐糖能障害とは

血糖は,食後に測ってはだめなの

 診療で血糖値を測りましょうと言うと,多くの患者さんは食事をしてきたので次回の診療時にして下さいと言われます。食後に測っては本当にだめなのでしょうか。実は,空腹時血糖も,食後血糖もそれぞれに測る価値があるのです。朝食を摂らずに来院した時というのは,前日から絶食している状態です。つまり最も血糖値の低い状態です。軽い糖尿病の場合,夕食後や寝る前に血糖値が高くても,一晩かけてブドウ糖を細胞内に取り込み,翌朝には何とか正常の血糖値にもって行くことが可能です。つまり,軽い糖尿病では,空腹時の血糖値は異常値を示さないのです。ところがそのような人でも,食事をすると血糖値が異常に上がり,病気を見つけることができます。耐糖能障害と言われる糖尿病の一歩手前の人や軽い糖尿病の人でも,食後の血糖値の上昇が強く,正常値に戻るのに時間がかかるため,異常を見つけることができるのです。もちろん,採血の目的によって,望ましい採血の条件は変わってきますが,通常の診療においては,採血時に空腹であることにそれほどこだわる必要はありません。あえて食後に採血を行うこともあるぐらいです。

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