GOTとは GPTとは ウイルス性慢性肝炎 急性増悪 劇症肝炎 自己免疫性肝炎 肝硬変

正常値(基準値)と異常値

 基準値は AST(GOT)は,10〜40IU/l,ALT(GPT)は,5〜45IU/l です。食事や採血時間に影響を受けませんので,いつ検査をしてもかまいません。これらの検査は,前述のような疾患で上昇しますが,肝臓の疾患で最も影響を受けるので,以下肝疾患について詳しく見てみましょう。
 AST・ALT が1,000IU/l 以上の著明な上昇を認めた場合には,ウイルス性急性肝炎の極期やウイルス性慢性肝炎の急性増悪・劇症肝炎などが考えられます。比較的高度の上昇は,上記疾患以外に急性アルコール性肝炎・薬物による肝炎・肝炎ウイルス以外のウイルスによる肝炎などの可能性があります。
 軽度から数百程度までの中等度の上昇は,ウイルス性慢性肝炎・自己免疫性肝炎・肝硬変・肝臓癌・脂肪肝などでよくみられます。
 正常な肝臓では AST は ALT よりやや高値を示します。AST と ALT は,肝臓の中で含まれている場所が違い血中に存在する時間も違います。血中の濃度が半分になる時間(半減期)は,AST は11〜15時間,ALT は41時間です。これらのことから,疾患によって上昇する度合いが異なり,AST<ALT となるのは,慢性肝炎や急性肝炎の回復期,過栄養性脂肪肝にみられ,また逆に AST>ALT となるのは肝硬変,アルコール性脂肪肝でよくみられます。

検査解説案内に戻る

kensanosankousho