マクロアミラーゼ血症とは 卵巣癌 卵管癌 IgA 免疫グロブリン

アミラーゼが上昇するその他の場合

 肺癌・卵巣癌・卵管癌等の中にはアミラーゼを産生するものがあり,その場合には上昇します。アミラーゼは腎臓から排泄されますので,腎臓の働きが悪くなる腎不全でも上昇します。また,膵臓の内視鏡検査である ERCP を行った後でも,上昇することがあります。
 病気ではありませんが,マクロアミラーゼ血症というものがあります。これは,アミラーゼに抗体ができ,抗体とアミラーゼが結合したものです。大部分は,IgA という粘膜での生体防御に係わっている免疫グロブリンが関与しています。マクロアミラーゼは大きいため,腎臓からの排泄が行われず,結果としてアミラーゼは高値となります。マクロアミラーゼ血症があるかどうかは,血液と尿中のアミラーゼ及びクレアチニンを測定し,排泄の度合いを計算する ACCR という検査にて知ることができます。マクロアミラーゼ血症によるアミラーゼ値の上昇は病気ではありませんので,放置しておいてかまいません。

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